濹東左岸

日々のこと

酒器いろいろ

酒器を集めている気はないが、どうしても『吞んでみたいと』腰が浮いてしまう器に出会うと、どうにかして手元に置けないか寂しい懐と金策算段を始める、ここから手元に来るまでが楽しい。

偉そうな事を言った所で、斑も志野も持ってはない。

志野は皿なら持っている。偶に、酒を注いで戦国武将気取りで吞んでみたり.......

結局よせばいいのに、また古伊万里白磁の蕎麦猪口を買ったりしていると目の前にすわっと現れる。

店主と話していると次は碗なりの斑で呼び継が2片ないし3片で幾ら位出すと買えます。

と言われその気になっている今日この頃。

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目白コレクション 長月そして東美アートフェア 神無月

長月の末、目白コレクションに出席。

入場番号28番を引き、陶友からの依頼品を2つもゲット。自分はというとSNSに頼らず会場内をうろうろ。IMADOさんのベタ底堅手盃は瞬殺だったようで、斑唐津を拝見させていただく、コンディション良好な上、プライスが良心的な優しさ溢れる設定でした。最初にこの様な品物を見てしまいますと、どうもいけません。

お腹が空いて来たので、ふらふらと大戸屋へ。塩サバ定食をいただきリセットし会場に戻るとIさんが「Kさんが探していましたよ」

すっかり昼食をご一緒する約束を忘れていました。

 

Sさんも加わり4名で目白の名店「卯月」へ、ビールに日本酒に代った時隣の席から「Iさんですか?」と盛り上がってきたところに、ベテランのコレクターが加わり・・・。

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暦が替わって、東美アートフェア。

Kさんと初日開場前落ち合い、招待券を忘れてしまう失態。入場料二千円を払おうとした所、「券差し上げます」とピンクのジャケットのご婦人から声をかけて頂き入場。メジコレとは違う熱気と欲望が渦巻く東京美術俱楽部4階、上原永山堂さんには書籍で見た徳利を手にとることができましたが、買えない酒器ほどつまらないモノはない事が分かった。2階の池内美術さんで念願の井戸茶碗を二日目、ようやく手にとって見ることができました。伝来が不明とのことですが伝世のアジは凄まじい。

決して汚いと言ってはいけない無言の圧力、恐るべし茶の湯の世界!

大塚美術さんの李朝、古美術京橋さんの李朝、桃凛さんの李朝、渡邊三方堂さんの李朝李朝好きの僕にとって今回のフェアは刺激になり次の目標が出来た貴重な体験でした。f:id:igarashi1963:20231021155322j:image
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2023 秋

骨董を初めて購入した品は、李朝末期のぼてぼて茶碗に似た容の白磁小碗でした。

うれしくてうれしくて、毎日ビールを注いで楽しんでいた事を思い出します。

李朝と謂う焼物を知ったのは、柳宗悦の著書とそれらを体験できる日本民藝館での鑑賞でした。神保町の風月堂は、触れることの出来る貴重なお店でした。

 

無知という事は怖いもの知らず、吉平美術店に飛び込み「古唐津の盃を見せてください」と告げると初代店主は、お店奥の応接に通してくれて古唐津の盃を見せてくれた。

「コレは2百万!」「こちらは3百万!」「これは、5百万!」と小さな箱から次々と目の前に置いて手に取り観た。呼継ぎのない見事な盃だった事は鮮明に覚えている。

吉平美術店を後にし勢いで壺中居のドアを開けて、受付の女性に「井戸茶碗があったら見せて下さい」と告げると「畏まりました」といい電話を掛けて話をしてくれた「生憎、今当店には在庫がございません」と丁寧な対応をしていただきました、思い出すたび汗が吹き出て来ます。

それから、2年ほど経ち若手骨董商たちが集まる売り出しで、雨漏堅手茶碗と箱書きされた品を手に入れることが出来た。春・秋目白コレクション、第一回青花の会骨董祭と骨董の世界の扉を開き、勉強会に参加したりし交流する仲間と知り合う事が出来たことは、購入するにあたってとても役立っていますし、古美術商の方々にも恵まれ、なんとかかんとか今日まで来ました。

 

画像の飴釉偏壺は、僕の目をさらに広げてくれた店主から頂いた品です。

膨らみのある容は瑞々しさが溢れ、触ってみたい衝動に駆られました。

高台を見ると飴釉特有の荒い砂が付着しておらず、品を感じた次第です。

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先に触れた勉強会も様々ありますが、お勧めは『古美術愛好会』次回の開催は10月22日を予定しております。大熊美術の店主の話も聞けます。

詳細はSNSのインスタグラムで検索お願いいたします。

参加の方の年齢層も幅広く20代から70代まで、一緒に沼にハマりましょう(笑)

 

 

 

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近況

最近、北鎌倉に或る東慶寺を度々訪れている。小林秀雄前田青邨のお墓があるのですが下町の寺に付随する墓地とは全く異なる印象を受ける場所が気に入り、時間があると出かけている。

3月末、友人と藤沢から江ノ電に乗り鎌倉までの電車に乗り小林秀雄さんが住んだ山の上の家を目指した。道に迷いながらもなんとか辿り着きiPhoneに収めた。

神奈川県立近代美術館鎌倉別館で湯川書房の展示会が行われていて、後ろ髪を引かれる思いでトンネルをくぐり東慶寺を目指した。

4月、会期最終日滑り込んで見ることができた。

湯川氏は、茶房古伊万里(大吉)の常連だったらしく生前の寛ぐ姿が会場の一角に飾ってあった。

                                                                                                                                つづく

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ご無沙汰しております。

前回の更新から、2年も経っていたとは。

コロナ禍ただただ、時間が足早に過ぎていったように感じます。

そんな中でも、古陶磁で呑む酒は日々の生活の中での楽しみでした。昨年末ようやく念願の古唐津盃以上茶盌未満を手元に置くことができました。それから数か月後の青花の会での酒の席、前に座った陶友がいつものように、色々と古唐津の盃を出してくれそれを借りて酒を飲むことが多いのですが、その中に5年前の催事で金銭的に余裕がない為、買えなかった古唐津が目の前に現れました。彼に5年前の話をしながら改めて手に持ち飲む酒は、美味しく別れを惜しみながら宴は終わりました。

やはり、古唐津の盃は分不相応。と思い諦めて李朝堅手を買う。すると陶友から「譲ってもいい」旨の連絡が入る、懐事情を話をし彼の温情に甘え迎い入れる事ができました。

つづく

2021年、あなたは何を買いましたか?

今年も残すところあと2週間を切った。

昨年は、お世話になっている店主に依頼し約3年集った品物を交換会に出してもらったお陰で、今後蒐集する品物を決めることのきっかけとなった。

軸は心の拠り所でもある李朝なので、今年青磁の胎壺を買うことができた。それにしてもよく見つけてくれたものだと感心する。

古田織部を知ることで、古帖佐の茶入れを手元で眺めていたところ、志野の火入が現れた。口はぐるりと煙管で叩かれ痛みは激しいが、その分茶席などの出番が多かったと思うと嬉しい品でハイボールを美味しく頂いている。

また秋ぐちに、ようやく古信楽の壺を迎い入れることができたことは本当に嬉しく、蒐集にひとつの節目となったような気がする。

それにしてもこの所、小壺の出会いが多い。

日常使いの、品も良いものが集まった。径33糎のフランスのピュータートレーは二度逃した品、加えて銀座での催しで買えたことは良い思い出。

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九州場所

照ノ富士が14日目で優勝を決めた。おめでとうございます!

 

10年ほど前、相撲の仕事をしていたことがあり、近くで彼を見ることがあった。冗談を飛ばしたりし周りを笑わせる優しい青年なのですが、ひとたび土俵に上がると鬼に変わる。

間垣親方白鵬)に張り手を仕掛けたことのある唯一の力士ではないかと思う。ただ勝てば良しとする朝青龍とも間垣親方とも違う、横綱だと思う。幕内の玉鷲も今場所強い取り組みが有って、まだまだ活躍が期待できると思う。阿炎も幕内に戻って来てのびのび相撲を取っているので来場所も期待したい。

照ノ富士は、ひとり横綱の場所しかも両国国技館。休場は出来ないプレッシャーと膝の状態が気になるところ。